地球温暖化対策の一環として県は、独自の「カーボン・オフセット」のシステムを構築、来年4月から運用を始める。海外の二酸化炭素排出削減量を購入する一般的なカーボン・オフセットと異なり、県民や県内企業から寄せられた資金を、身近な環境を守る活動や自然エネルギー導入に生かすのが特徴。
県環境審議会は9月、新環境基本計画の最終報告を西川知事に答申。その中で、カーボン・オフセットの仕組みを導入するよう提言していた。県環境政策課によると、県内の二酸化炭素排出量削減に県民の資金を生かす地域循環の取り組みは、全国でも珍しいという。
一般的なカーボン・オフセットの考え方は、二酸化炭素削減の取り組みの趣旨に賛同する企業や個人が、自らの二酸化炭素排出量を少しでも減らす活動を展開。それでも削減できない分は、海外の二酸化炭素排出削減量(排出権)を購入することで埋め合わせ(オフセット)でき、京都議定書で定められた日本の目標達成に貢献できる。排出権はコンビニエンスストアでも買うことができる。
一方、県独自のカーボン・オフセットの場合、企業や個人が二酸化炭素排出量を減らす努力をするところまでは同じだが、その先の取り組みのイメージとしては二酸化炭素を削減できない分をオフセットするための資金は、受け皿の「環境ふくい県民会議」に提供。同会議は市民団体、NPOなどとの橋渡し役となり、植林や太陽光発電の導入などに資金を生かしてもらう。
市民団体などの取り組みの成果や、資金提供した企業、オフセットに還元できる商品などは県のホームページなどで公表し、活動の励みにしてもらったり、企業のイメージアップにつなげてもらう。
賛同する企業、個人の参加方法など具体的な方策は、企業、学識経験者、NPO代表らで構成し、今月30日に発足する「環境ふくい二酸化炭素削減貢献事業推進協議会」で検討していく。
県安全環境部の城越芳博企画幹は「海外ではなく、身近な場所で資金を活用することで、二酸化炭素排出量削減に向けた県民と企業の活動に弾みが付くはず」と期待している。
事業化に当たり県は経営者や市民団体、県民を対象にしたセミナーを30日午後1時半から、福井市の県職員会館で開く。定員約100人で、当日も参加を受け付ける。申し込み方法は県環境政策課のホームページで紹介している。
出典:福井新聞