2008年10月27日月曜日

スーパー中間決算/節約志向への対応急務

 スーパーの決算に景気低迷の影響が表れだした。2008年8月中間期の決算では、総合スーパーは衣料、住居部門の売り上げ低迷が深刻になっている。さらに下期は、これまで好調だった食品の売り上げにも陰りが出るとの予想を各社のトップが口にし始めた。高まる節約志向で売り方や調達方法を変える動きも出ている。各スーパーの戦略を見極めながら、産地は対応策を実践していこう。

 衣料と住居部門は、消費者の節約志向のあおりを大きく受けた。逆に、食品は、生活必需品の強みと内食への回帰という追い風を受けて好調だった。こうした傾向は、百貨店が苦戦、コンビニエンスストアが好調だったことからもうかがえる。

 しかし、8月以降は、好調だった食品の売れ行きも悪化してきた。夏のボーナスが6年ぶりに減少し、年金不安も加わり、「8月半ばの旧盆明けから明らかに風向きが変わった」と、中堅食品スーパーの社長は指摘する。

 9月には、米国から始まった世界的な金融不安、株価下落の報道が連日あり、消費者心理の冷え込みは決定的となった。日本チェーンストア協会が発表した販売統計では、全国のスーパーの9月の食品売上高は、8カ月ぶりに前年を下回った。総合スーパー大手、イオンの岡田元也社長は「この調子でいけば年末年始の商戦はかなり厳しい」とみる。

 各社は価格戦略に手を打ち始めた。東京都内の大手スーパーは、これまで袋売りが中心だったタマネギやジャガイモなどで、ばら売りを強化した。キャベツは、2分の1や4分の1カットを増やし、値ごろで数量を売る作戦だ。消費者の支持率の指標とされる買い上げ点数を上げることで、他店との競争に打ち勝とうというのだ。

 調達も影響が出ている。イトーヨーカ堂は8月末に新業態となるディスカウント店を開店し、規格外青果物を販売する試みを始めた。ほかにも契約取引の拡大、地産池消の推進、円高還元により輸入品の販売強化など、さまざまな手法で値ごろを追求している。

 産地は、こうした各スーパーの戦略を念頭に置き、商談や、取引先の選択を進めるべきだ。例えば、JA宮崎経済連とJA全農とちぎは、燃料油価格変動調整金(燃料サーチャージ)を導入する。契約取引の価格交渉の中で、生産費を示しながら再生産確保を目指す。ほかにもトマトの1箱重量の見直し、規格外の販売、他業界と連携した販促などを模索する産地が次々出ている。

 値ごろをさらに追求するスーパーと、資材費高騰の価格転嫁を目指す産地の双方とも、厳しい事情を抱えている。それだけに、お互いの状況をまず理解した上で、工夫の余地はないのか、知恵を出し合う必要がある。

出典:日本農業新聞